庭にはとても大きなトラックが置いてあります。それはもう三年も前からなのです。我が家では庭に犬を飼っているので、とても狭くてとても邪魔になってきたのです。だから父がそろそろ買取ってもらおうと言っていました。
いい加減邪魔で、庭でバーベキューも何もできなくなったのです。以前は庭で犬と走り回る事だってできたのですが、それすらできなくなったのです。
トラックは祖父の乗っていたものです。祖父が亡くなってそのままにしておいたのです。もう車検だって切れいます。このままにしてはおけません。安くてもいいので、買取ってくれるところを父が探してきました。
早速休日に買取店の人がやって来ました。査定をしに来たのです。思っていたよりもだいぶ高く買取ってもらう事ができました。そして早速このトラックを持って行ってくれました。庭がとてもスッキリしました。犬もなんだか嬉しそうです。
考えてみたら、あのトラックには思い出がいっぱいありました。祖父がまだ現役で働いていた頃、私もよく助手席に乗せてもらっていました。祖父の仕事について行ってた頃もあったのです。祖父の運転はとても安全運転で、安心して乗る事ができました。祖父の運転する姿が私は大好きでした。祖父が運転をしながら、いつも楽しい話しをしてくれていました。それがとても楽しかったのです。
祖父が亡くなって、あのトラックに乗る事もありませんでした。でも私は暇なとき、あのトラックを見ながら祖父の事を思い出していました。あまりにも突然に亡くなったので、最初は実感がわきませんでした。
今にもあのトラックが動き出しそうに感じました。でも祖父はもういません。あのトラックが動く事もなくなったのです。父も乗らないし、母も誰も乗る人がいないのです。
もっと早く買取ってもらえばいいのに、こんなにも遅くなってしまいました。でも無事買取ってもらえて、本当に良かったと思えるようになったのです。